1日目 頭を緩めてホルモン分泌
2日目 首を伸ばしてストレス解放
3日目 肩を開いて酸素を皮膚に届ける
4日目 冷え取りでアレルギー反応を抑える
5日目 薬と上手につきあう背骨ひねり
6日目 骨盤調整で皮膚の排毒を減らす
7日目 背骨を緩めて自律神経を整える
特別編1 ツボで「かゆみ」を緩和する
特別編2 スキンタッチで「子供ケア」
こんにちは。鍼灸師の伊東 歩です。
昨日はアトピーに使う薬と上手につきあうための、「解毒」についてでしたね。
で、メルマガ6日目の今日は「排泄」について。
「アトピーで悩んでいる人の皮膚は、許容範囲以上の仕事をさせられている」
という視点を持っていただけると、新しい突破口が見えるかもしれません。
Contents
アトピーにとって排泄は重要
身体にとって排泄とは
ちょっとだけ、そもそもの排泄について。
生体が不消化物、代謝の最終産物、その他有害物質などを体外に排出すること。糞便,尿などへ排泄すること。
出典:朝倉書店 栄養・生化学辞典
とくに注目していただきたいのは、有害物質の排出。
ステロイドや免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬、そして食事に含まれる毒性の強いもののなかで、
肝臓で解毒できない・しきれない有害物質
は、排泄器官によって体外に出されるのです。そして排泄器官とは、
- 腎臓
- 大腸
- 肺
- 毛髪
- 皮膚など
皮膚は排泄器官
まず、
皮膚は排泄器官であり、吸収器官ではない
ということを、覚えておいてください。
皮膚に触れる物質の0.5%が浸透しますが、これは
「ほんのちょっと、しょうがなく染み込んでいる」
ということ。
基本的に皮膚の役割は
- 体内の水分が漏れないようにすること
- 汗・脂・垢などの排出
です。たまにアトピー整体を受けている方から、
「皮膚の状態をよくするために、栄養のあるクリームか何かありませんか?」
と聞かれるのですが、「食事で摂る方がいいですよ」とお伝えしています。
アトピーの皮膚はオーバーワーク
排泄器官というのは、先ほど挙げたようにいくつかあります。
でももし、その中の一部の働きが悪かったら?
たとえば大腸の働きが落ちて便秘になると、肌の調子が悪くなるのは、とくに女性なら経験された方も多いはず。
また、腎臓の機能が低下して排毒できなくなった『尿毒症』。
この症状のひとつに「かゆみ」がありますが、
これは腎臓でろ過できなくなった老廃物が皮膚にたまり、かゆみを引き起こすもの。
身体としては、不必要・有害なものを外に出したいので、血管を通じて何とか「排出口」を探します。
その末端が、排泄器官としての皮膚なのです。
参考:汗からの排毒
参考までに、普段の食事で摂り込まれる有害物質のうち、汗から排出されるのは0.02~0.04%という結果が出ています。
(参考:カナダ・オタワ大学 パスカル・インベント氏らの研究 Environment International)
ひじ・ひざに出るアトピーは腎臓
ひとことで「有害物質」といっても、その内容はさまざま。
排泄という面からみると
- 水溶性(水に溶けやすい重金属の一部やプラスチックに含まれるビスフェノールAなど)
- 脂溶性(脂に溶けやすい水銀・鉛・カドミウムなどの有害ミネラル)
の物質に分けることができます。
それは排出の方法にも関わっていて、皮膚の場合
- 汗といっしょに排出する(水溶性)
- 皮脂に混ざって排出する(脂溶性)
の違いがあります。
昔から、アトピーの場合
・顔に出るアトピーは肝臓
・肘や膝の裏に出るアトピーは腎臓
と言われていました。
これは経験則なので、明確な理由は分かっていません。でも、
汗をかきやすい肘や膝の裏にアトピーが出ている人は、「水溶性物質」の排毒がうまくできていない。
→ 腎臓
身体の皮膚より10倍以上皮脂腺の多い頭や顔にアトピーが出ている人は、「脂溶性物質」が排出できていない。
→ 肝臓
と考えることができます。
いずれにしても、大事なのは本来の排泄がちゃんとできるようにすること。
そもそも、排泄器官ではあるけれど、それほどの仕事はこなせない皮膚に、どんどん要らないものが送られてくる状態を元に戻してあげる。
そのためには、大便(大腸)と小便(腎臓)を使ってしっかりと排毒してもらいましょう。
腎臓(尿)の話ばかりしてきましたが、大腸(便)も同じです。
大腸の働きが落ちて腸壁から不要物が再吸収されれば、それはやがて皮膚に運ばれていくのですから。
どうやって本来の排泄を取り戻すのか
排泄は下半身が中心
先ほどゴチャゴチャ書きましたが、要は
アトピーを改善するために、大便と小便で排毒して、皮膚に溜まらないようにしましょう
ということ。
大便と小便を排出する
- 大腸
- 腎臓
をちゃんと働けるようにするポイントは、下半身にあります。
昨日も使ったツボの図ですが、腰のあたりに
【 腎兪(じんゆ)】【大腸兪(だいちょうゆ)】
があるように、東洋医学では腎臓や大腸を養うために腰を重要視してきました。
また、骨盤を構成する仙骨(せんこつ)からは、腎臓や大腸に神経が伸びています。
ですから、便秘で悩んでいる人の施術には、骨盤の調整は欠かせません。
骨盤の傾きで排泄が変わる
わたしたち専門家が下半身の施術をするときは、骨盤の傾きに注目します。
なぜなら、骨盤が前後左右に傾いていると、
- 腎臓
- 膀胱
- 大腸
- 子宮
の働きが落ちてしまうから。
今回はとくに、セルフケアでも調節しやすい骨盤の前後の傾きを整えましょう。
骨盤を整えてアトピーを改善する方法
骨盤の歪みがあると、本来の排泄ができず、皮膚への負担が大きくなってしまいます。
すると、アトピーがなかなか改善しません。
骨盤は複雑な歪み方をしますが、前後の傾きであれば、セルフケアでも整えることができます。
骨盤チェック
まずは、あなたの骨盤がどう傾いているかチェックしてみましょう。
壁に背を向けて、
- 頭
- 背中
- お尻
- かかと
の4点を壁につけてください。
猫背がきつい人は、頭がどうしてもつけられないかもしれません。
そのときは、無理をしないで。
そうしたら、腰のうしろに手のひらを入れてみましょう。
- 手のひらがちょうど入るなら標準
- 手のひらが余裕で入るなら反り腰
- 手のひらが入らないならストレートバック
あなたの骨盤と腰は、どのタイプだったでしょうか?
このあと、それぞれの整え方についてお伝えします。
反り腰
反り腰を整えるには、
- ストレッチ
- エクササイズ
の2つを合わせるといいでしょう。
ストレッチ
反り腰の場合、腰から骨盤にかけての筋肉が強く緊張して、硬くなっています。
そのため、骨盤と背骨の角度がきつく反ってしまうのです。
実際にアトピーの施術をしていると、女性に多いのがこのタイプ。
便通としては、『弛緩性便秘』になりやすいですね。
特に腰の下のほうの筋肉を狙ってストレッチすると、反りが少なくなります。
まずは、イスに真っすぐ座りましょう。
そして頭を下げながら、腰の部分を中心に曲げていきます。
両手を下腹部に当てて、背中に向かって軽く押し込むと腰が伸びる感覚がつかみやすいです。
腰をなるべく丸めるように頑張ってください。
エクササイズ
反り腰の場合、
腰の筋肉 > お腹の筋肉
というアンバランスな状態になっています。
ですから、腰の筋肉をゆるめたら、こんどはお腹の筋肉を強くしましょう。
ウエスト周りの引き締めができるので、気になる人は頑張ってください。
- まず四つん這いになります
- 背中を真っすぐに
- 股関節と脇がそれぞれ直角になるように
- 息を吐きながらお腹を凹ませましょう
コツは、おヘソをのぞき込むように腰を丸めること。
息を吐き切る最後に、「ぐっ」とお腹を凹ませるとウエストが引き締まります。
ストレートバック
ストレートバックの場合、腰の反りがなく、真っすぐに近い状態。
骨盤もうしろに傾いています。
実際にアトピーで悩んでいる人を施術をしていると、自律神経系のアトピーの人は、このタイプが多いです。
便通としては、『緊張型便秘』か『便秘下痢交互型』になりやすいですね。
ストレッチ
ストレートバックの特徴は、背骨が硬いこと。
腰の反りがないため、骨に直接重力がかかり、棒のように硬くなっています。
ですから、無理に腰を反らさないようにしましょう。
【 ストレッチの手順 】
- うつ伏せに寝そべる
- 肘を立てて上半身を起こす
- お腹周りの力を抜く
コツは、息を吐くと同時に、お腹や腰の筋肉を脱力すること。
そうすれば、無理なく腰を伸ばすことができます。
息を吐くたびに力を抜いていると、自分の腰の重さで、骨盤と背骨に自然な反りができてきますよ。
エクササイズ
ストレートバックの人は、インナーマッスル(大腰筋)が弱いので、腰が伸びてしまいます。
この筋肉を鍛える簡単な方法は、【 大股歩き 】。
コツは、おへその上から脚が生えているように歩くこと。
おへその上を中心に、両足を振り子のように振り出すと、うまく大腰筋が使えるようになります。
股関節だけを曲げて歩くと、大腰筋が鍛えられません。
横からのイメージは、こんな感じ。
ちょっと、腰をひねるように脚を前に出しましょう。
股関節だけが折れ曲がるように歩くと、腰の反りがつくれません。
終わりに
皮膚は排泄器官ですが、アトピーの場合、排毒の負担がそのまま皮膚状態を左右します。
ですから、腎臓や大腸などの排泄器官をちゃんと働けるようにしてあげて、便秘などはなるべく解消しておきましょう。
そうすれば皮膚は排毒しなくてすむので、アトピーの状態も変わってきます。
そして明日は、いよいよ最終回。
実際のアトピー専門整体でも重要な、背骨を使った自律神経調節をお伝えします。
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