1日目 頭を緩めてホルモン分泌
2日目 首を伸ばしてストレス解放
3日目 肩を開いて酸素を皮膚に届ける
4日目 冷え取りでアレルギー反応を抑える
5日目 薬と上手につきあう背骨ひねり
6日目 骨盤調整で皮膚の排毒を減らす
7日目 背骨を緩めて自律神経を整える
特別編1 ツボで「かゆみ」を緩和する
特別編2 スキンタッチで「子供ケア」
今日は【 メルマガ講座 】2日目です。
メールでもお伝えしたように、ストレスが溜まるとアトピーが悪化するというのは多くの方が経験していること。
でも、生きていればストレスは避けられない。
でも、ストレスを溜めない工夫はできる。
ということで今回は、ストレスを解放してアトピーを改善する方法をお伝えします。
ポイントは、「首」です。
Contents
ストレスが溜まるとアトピーが悪化
ストレス反応とは
こんにちは。鍼灸師の伊東 歩です。
そもそも、ストレスがかかると身体にどんな反応が起こるのか。
- 全身の筋肉が緊張する
- 口や喉が渇く
- 呼吸が早く大きくなる
- 手のひら・足の裏に汗をかく
- 心臓がドキドキする
- 鳥肌が立つ
など。これらはすべて「勝手に」起こっていること。
ストレスを感じると身体は自動的に変化するのですが、そのコントロールしているのが自律神経です。
どうして皮膚に影響するのか
ではストレスに対する自律神経の反応が、どうして皮膚の状態に影響するのか。
自律神経というのは、
- 休息モードの副交感神経
- 戦闘モードの交感神経
の2種類からなっています。
ストレスに反応するのは、戦闘モードの交感神経。
交感神経は毛細血管を収縮させる働きがあるので、皮膚表面に向かう細い血管が狭く、通りにくくなります。
すると、皮膚の新陳代謝に必要な
- 水分
- 栄養
- 酸素
が不足するので、皮膚を健康に保つのが難しくなるのです。
ストレスによるアトピーの「かゆみ」
これまで、アトピーで悩む人をみていると
- 交感神経
- 副交感神経
どちらかに振りきってしまうタイプが多いようです。
どういうことかというと‥
本来は交感神経と副交感神経をこまめに切り替えながら、状況に対応します。
でもアトピーの人は、いちど交感神経に切り替わったら、ストレスが去ってもずっと交感神経が働きっぱなし。
そして、ふとしたきっかけで今度は逆に副交感神経に振りきり、血管が拡張。
これが「かゆみ」を引き起こすのです。
ストレスはどこに溜まるの?
アトピーに悩む人が、どうして自律神経のバランスをとるのが難しいのか。
いろいろな原因が考えられますが、みなさんに共通しているのが、「真面目」。
これは多くの人をみてきて、本当にそう感じます。
真面目な性格だから、相手にストレスをぶつけたり、八つ当たりしたりできず、溜めこんでしまう。
それが結果的に、自分を傷めてしまうのです。
感情ストレスは肝臓に
ストレスにも色々ありますが、
- 感情ストレス
- 環境ストレス
に分けることができます。
そして、感情ストレスを東洋医学的に考えると
- 喜
- 怒
- 恐
- 悲
- 思
の5つ。そしてアトピーに関係が深いのが、「怒り」の感情ストレス。
主に肝臓の解毒作用に関わってきます。
これについては、メルマガ講座5日目の『解毒不足は肩の高さに出る』のときにお伝えしますね。
環境ストレスは首に
環境ストレスというのは、温度や湿度、気圧の急激な変化。そして引っ越しや転勤・転属、別れや死別など。
ネガティブなことばかりではなく、出産や出会い、昇格や達成なども環境ストレスとなります。
そんな自分の周りの環境変化に合わせようと調節するのが、自律神経。
その負担は、身体のうしろ側に分かりやすく現れます。
- 腰
- 背中
- 肩
など、人によって硬くなる場所は違うのですが、
共通しているのが
首の緊張。
自律神経と首の関係
首の骨に急激なショックが加わる、いわゆる「むち打ち」を経験した人に多くみられるのが、交感神経の過剰反応。
施術していると分かるのですが、むち打ちの人の筋肉をいくら鍼でゆるめても、交感神経の緊張がゆるまないのです。
これは、衝撃が加わった組織(筋肉や靭帯)自体がそのショックを覚えていて、常にアラーム信号を出し続けているから。
つまり、
交感神経の緊張 → 首の筋肉の緊張
首の筋肉の緊張 → 交感神経の緊張
の、どちらも起こるので、負のループを繰り返しやすいということ。
でも。
裏を返せば、自律神経に直接アプローチしなくても、
首の緊張をゆるめれば、負のループを断ち切ることができるのです。
ストレスを解放してアトピーを改善する方法
「説明が長いなあ」と思う方もいらっしゃると思います。
ですが20年以上、患者さんのセルフケアを指導してきて
効果を上げるために大事だなと思うのは
「どうしてコレをやるのか」
という納得とイメージだと感じているから。
ただ
「良いと言われているからやっている」
だと、続かないし、効果も出ない。
どういう理由で、何のためこのセルフケアをやっているのかを理解してもらっているかどうかは、本当に大切なんです。
ですから、ここまでお伝えしてきたことを「何となく」でいいので頭の片隅において、次のことをやってみてください。
負のループを断ち切る
定番パターンの、ツボから入りましょう。
というのも、先ほど「むち打ち」の所でもお話ししたように、
交感神経の緊張 → 首の筋肉の緊張
首の筋肉の緊張 → 交感神経の緊張
という負のループがあると、なかなか首も神経もゆるみません。
交感神経の緊張が続けば、アトピーの皮膚の状態も改善しない。
そこで便利なのが、「ツボ」。
特に今回ご紹介するツボの組み合わせは、負のループに別の道をつくる「待避ルート」のような働きをしてくれます。
ツボで首と神経をゆるめよう
「待避ルート」を作ってくれるツボは、
- 申脈(しんみゃく)
- 後谿(こうけい)
のペア。
東洋医学の中の【 奇経八脈 】を使った治療法を応用しています。
ツボの使い方は、昨日と同じ。
指先を使ってタッピングしたり、米粒やゴマ粒を絆創膏で貼りつけたりして刺激しましょう。
申脈(しんみゃく)
足首の外側にある「くるぶし」の、すぐ下に申脈があります。
「だいたい、この辺かな…」
という所を指で押してみて、
- ズーン
- ピリッ
- チクッ
と感じる所を探してください。そこが、ツボです。
後谿(こうけい)
手の指をにぎると、小指のつけ根にシワが何本かできます。
その中の、いちばん手首に近いシワの先っちょがツボです。
後谿のタッピングは、メンタルストレス(トラウマ)を緩和してくれる働きも。
たとえば、過去にあった嫌な出来事の感情を思い出しながら、後谿をタッピング。
ちょっと辛いと思いますが、できるだけ感情に浸りながらタッピングしていると、トラウマが緩和されてきます。
もしアトピーがメンタルストレスによって悪化している場合は、ためしてみてください。
ツボは対角線で使おう
申脈と後谿のセットは、対角線で使うと効果的。
たとえば、右手の後谿を刺激するなら、申脈は左足という感じ。
それぞれ、1分ほどタッピングすれば充分です。
このセットは、寝違えや首コリなど、
- 首が動きにくい
- 首に痛みがある
ときにも使えますので、覚えておくと便利ですよ。
脳の認識を変える
ツボで首の筋肉をゆるみやすい状態にしたあとは、脳に刺激を入れておきましょう。
実際に施術していてよくあるのが、首の筋肉がガチガチに硬いのに
「え、わたし首のコリとかありませんよ」
というパターン。
これは、感覚の個人差はありますが、その多くは脳が慣れてしまっているから。
自然治癒力というのは、自分自身に不具合があると認識しているほど活発に働きます。
ですから、まずはあなた自身が首を手で触って、
「カチカチに硬いなあ」
「パンパンに張ってるなあ」
「触ると気持ちいいなあ」
など、首の状態を脳に伝えてあげてください。
タオル枕で首を伸ばす
準備をいろいろやっていただきましたが、実際にやることはシンプルです。
首のうしろに丸めたタオルを置くだけ。
ツボを刺激して、脳の認識を変えておくと、こんなシンプルなことでも効果が違ってきます。
このタオル枕のコツは、2つ。
- 後頭部が床に着かない高さに調節
- できるだけ首・肩のチカラを抜く
よくあるのが、最初に頭がちょっと浮く高さに合わせたけれど、だんだん首や肩のチカラが抜けてきて、気がついたら後頭部が床に着いてしまうパターン。
それでいいです。
チカラが抜けてきたら、くるくるっとタオルを巻いて、もう少し高くしましょう。
- 後頭部が浮いて
- 首・肩のチカラが抜ける
と、頭の重さで頸椎(首の骨)が無理なく自然に伸びていきます。
首のアーチが綺麗にできるので、ストレートネックで困っている人にもおすすめの方法ですよ。
リラックスして、2~3分寝っころがれば充分です。
首の緊張がゆるんで自律神経のバランスを取り戻せば、皮膚の新陳代謝も活発に。
アトピーで問題となる免疫系にも影響しますので、続けてみましょう。
終わりに
アトピーの悩みとして、「かゆみ」による睡眠不足がありますが、首がゆるむと睡眠が深くなります。
今回お伝えしたセルフケアを、お風呂上りなどにためしてみてください。
明日は『肩を開いて酸素を皮膚に届ける』セルフケアをお伝えします。
- 呼吸が浅い
- 疲れがとれない
- 顔がくすみやすい
- 背中が丸くなる
- 鎖骨が埋まっている
- 首が短く見える
という方は、楽しみにお待ちください。
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